所在地 | 東京都葛飾区東金町2丁目12番、13番、14番、23番、25番 |
最寄り駅 | JR常磐線(地下鉄 千代田線直通) 金町駅 徒歩:9分 |
京成金町線 京成金町駅 徒歩:11分 |
金町第一団地の特徴 〜公団住宅であった〜
入居開始 | 1958年(昭和33年) |
棟数 | 31棟 |
戸数 | 226戸 |
「金町第一団地」は、現在は、建替えが行われ、団地の名称も、「UR 金町第一団地」となっていますが、建替え前は、「住宅公団 金町団地」と呼ばれていました。
建替え前の、1958年(昭和33年)に入居が開始された「金町団地」は、2階建て、庭付きの、環境に恵まれた団地でした。 6戸または8戸が一棟を構成し、ハーモニカのような棟が全部で31棟あり、総戸数226戸と公団の中では、小さな団地でした。
建築年度は、1958年(昭和33年)と、確かに古いのですが、途中、1977年(昭和52年)に、各戸にあった庭に一部屋が増築され、その際、木製であった窓枠、玄関扉もアルミサッシに改修されました。
一階はダイニングと6畳間それに浴室・トイレがあり、二階は3畳と6畳間と言う間取りです。まだこれから後、20年はこのままで生活できる住宅でした。
そこで、多くの居住者は、この金町団地を「終の棲家」と考え、 庭の草花を愛し、余生を地域と共におくるべく生活していました。
このような状況下、1992年(平成4年)7月、突然、大家である公団からまだこのままでも住める住居にもかかわらず「老朽化に伴う建替指定」を言い渡されました。
◎公団が考えた建替え計画の実態
公団が金町団地の居住者に示した建替え計画は、以下の概要です。
建替前 | 建替後 | |
住宅戸数 | 226戸 | 約550戸 |
階 数 | 2階建 | 6階〜11階建 |
棟 数 | 31棟 | 8棟 |
住宅形式 | 3DK(庭付き) | 1DK〜3LDK |
専用床面積 | 約56u | 約34u〜67u |
構 造 | 鉄筋コンクリート造 | 鉄筋コンクリート造 |
家 賃/月 | 平均¥55、311 | ¥96,000〜 ¥183,000− |
◎ 「建替計画」に対する居住者の怒り
この公団が考えた「建替計画」の実態は、
1 | 家賃(¥18万/月)が現在の3倍とあまりも高額になる |
2 | 高額家賃設定の妥当性がない |
3 | 計画に賛成しなければ、2年間で「住み慣れた土地」から追い出される |
4 | 建替ても、「居住水準」が向上しない |
5 | 「話し合い」で計画は進めるといいながら、住民の意見をきかず、「威圧的」「強権的」な公団の姿勢 |
など今までの団地居住者にとって「住み続ける事の出来ない」内容でした。
毎月 18万円の家賃を支払える世帯がどのくらいいるのでしょうか?
「建替」という言葉から連想するのは、確かに建物や住宅設備が新しくなるので、家賃が上がるのは仕方ない。
でも現在の相場から考えて、¥10万/月、ぐらいかと思っていました。
それが、何と、¥18万/月 です。
これでは、完全に「家賃が払えない人は出て行け!」です。
建替計画が発表された、当時(1992年)は、もう既にバブル経済も終わり、世間の家賃相場は下降して、金町団地の近辺でも、3LDKのマンション・タイプで¥10万〜¥13万/月が相場でした。
また東京近辺だけでなく、全国的に見ても公団の家賃は、近隣の相場より高いため、空家も増大していました。
公団が強行しようとしている「建替」は本当に必要なものか?
私たち、現在の居住者の生活はこれからどうなるのか?
大きな問題が私たち金町団地居住者の肩に大きく覆いかかって来ました。
公団の「建替計画」の実態は毎月、家賃も滞納することなく支払い、問題のない善良な「借家人」に対して、高額家賃をふっかけ、高い家賃を払えない元の居住者を追い出し、支払のできる一部の裕福な人から収益を上げようとする「大家=公団」の「強制立ち退き計画」でした。
この公団の「建替計画」には、今まで住んできた「借家人」の権利、「生活権」「居住権」を蹂躙する、思い上がった「お上(かみ)」意識が強くありました。
「建替」で「大家」が好きなだけ高額家賃を設定していいなら、「借家人」の権利が守られません!
◎ 住民闘争の概要
余りにもひどい、公団の「建替計画」の実態に対し、該当の金町団地の居住者だけでなく、団地近隣の方々や、同様の「建替問題」で悩む他の公団住宅居住者、さらに運動を支援する多くの人々が参加して、「金町団地 建替闘争」は大きな市民運動となって行きました。
だんだんと勢いを増す住民闘争を無視して、公団は強硬に追い出しを画策し、裁判に訴えてきました。
しかし、強い信念に支えられた金町団地の居住者や支援する地域の人たちの団結は強く、「裁判」においても怯むことなく、公団という国家組織を相手に闘い、常に裁判の不当性を訴え、東京地方裁判所がある霞ヶ関近辺や金町団地がある最寄の金町駅頭でも、度々、運動を行い行きかう人たちに「ビラ」も手渡し、活動の輪を広げていきました。
更に地元「葛飾区議会」及び「東京都議会」にも陳情を繰り返し、「公団が策略している建替計画」」の不当性を広く世間に理解してもらいました。
これらの、たゆまない運動の成果により、公団の「建替計画」は名目で、その実態は家賃を引き上げ、高い家賃を支払えない弱い居住者を「追い出す」内容である事が徐々に明らかになり、公団は窮地に追い込まれて行きました。
そして、ついに、1999年(平成11年)3月、裁判対象者は、公団に「裁判を取り下げ」させ、「団地全体の建替から」「一部は以前のまま10年間残す建替」を行う「一部建替の協定書」を締結し、「金町団地の闘争」は決着しました。
「公団 金町団地」における「建替問題」の本質と「裁判での闘争」において、どのような実態があったのか、建替闘争の詳細は、”「公団 金町団地」建替闘争の記録” にあります。
入居開始 | 2001年(平成13年)から |
棟数 | 6棟(1号棟、2号棟、3号棟、4号棟、6号棟、8号棟) (5号棟と7号棟はない) |
戸数 | 312戸 |
間取り | 1K〜3LDK/34u〜79u |
家賃(共益費) | 74,900円〜153,300円(4,590円) (2019年8月現在) |
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