「公団 金町団地」 建替闘争の記録

1992年(平成4年)から始り、1999年(平成11年)に「協定書」により一応の決着をした「公団 金町団地」(現在:都市整備機構 金町第一団地)の建替闘争の一部を住民の立場からまとめたものです。


「建替と向かい合った日々」

小さな団地の大きな闘い


  金町団地 居住者の意見

     1.建替指定時 (1992年)の意見

     2.建替事業説明会後(1993年)の意見

     3.住居移転期限 前(1994年9月30日)の意見

     4.住居移転期限 後(1994年9月30日)の意見



2.建替事業説明会(1993年)後の意見


 公団からの2回の建替説明会(1993年1月17日、1月24日)を受けて、金町団地自治会・建替対策委員会では、アンケートを実施しました。

 その結果210世帯中126世帯の回答があり、以下の様になっていました。(一部複数回答有)

 「説明会後のアンケート」
 @公団の姿勢に 
 ◆誠意を感じた  5%
 ◆感じなかった  89%
A「説明会」は  
 ◆終了した  5%
 ◆終了していない  95%
 B公団の条件で  
 ◆賛成   0世帯
 ◆賛成ではないがやむをえない  30世帯
 ◆納得出来ないので反対  83世帯
 ◆絶対反対  12世帯
 C今後の重点課題(重複回答あり)  
 ◆家賃値下げ  118世帯
 ◆高齢者対策   85世帯
 ◆立退料の獲得  59世帯
 D今後の対応  
 ◆自治会と共に  111世帯
 ◆自分で対応  6世帯


 ◎公団の建替説明の姿勢は?





 ◎建替をどう思うか?

 




  1993年、1月17日/24日の説明会打ち切り後のアンケートに寄せられた意見は次の内容でした。

【住み直せる建て替えでなければ反対】

※このままでいくと、公団の思いのままになりそうで不安な気持ちです。できるだけ多くの家族がこの地に住み続けられるようにと思います。せっかく公団に入居できて安心していたら、追い出し同様の建て替え。
建て替えても良いが、我々が住み直せる建て替えでなければ反対です。公団はどういう階層の家族を対象にして新しい団地を建てるつもりなのでしょうか。
金町団地だけの問題ではなく、日本の国家政策にもかかわることです。平均的なサラリーマン家庭が住み続けられないような建て替えなら絶対反対です。

【年金予備群も不安】

※年金予備群として、これからの生活を考えると大変不安を感じます。又、各家庭には様々な事情があると思いますので、自治会・対策委員会の皆様には公団との折衝にあたっては、きめの細かい対応を望みます。是非とも良い前例をつくって下さい。

※基本的に建て替えはやむを得ないと思っています。ただ公団のやり方には賛成できませんので、最後まで自治会と共に対応していくつもりでいます。

【家賃が高くては絶対に困ります】

※年金生活をしている者です。リロケーション住宅・高齢者対策についてもっと詳しく教えて下さい。それから、高家賃が一番の問題です。是非値下げ運動が成功する様にと願っております。

※お手伝いもできないで誠に心苦しい事ですが、よろしくお願い致します。いよいよの時には国会へでも何でも一緒に出かけてデモンストレーション等やりたい。その折には仕事を休んででも必ず参加します。

※家庭の事情により貯えや年金もなく、現在働いて収入を得て生活しています。明日の命の健康如何で生活が出来なくなる為に、絶対に家賃は高くては困ります。これから後何年はたらけるか解りませんが、やっと自分たち老夫婦の今後のために貯えなくてはなりません。頑張らなくてはなりません。家賃の値上がりは困るのです。自治会を頼りに致して居ります。

【公団の基本姿勢を問う】

※中小企業勤めで休日もままならない忙しさなので、説明会も一回しか出席していません。結果的に自治会に積極的に参加できず心苦しい思いですが、現行の公団の態度に腹立たしさを感じている一人として応援しています。
 第一に、家賃算定の根拠を公開させることが絶対条件だと思います。とにかく高すぎる。
 第二に、イギリスでは高層集合住宅の弊害が分かってきたので、逆に今までの高層から中・低層住宅に建て替えつつある現在、何故安易に単純な高層住宅しか考えられないのか?(ビル風一つとってみても、駅前団地の殺伐たる光景が思い浮かびます)。
 第三に、公団の基本姿勢を問う。これでは営利企業と同じだ。まあ土地・住宅に無策な政治にはよく対応していますが・・・

※家賃が2倍、3倍になるなんて全く信じ難いことです。居住権を犯す公団には強く根気よく対応して下さい。とにかく公団には怒りを感じている者です。

※高層建築が一番心配です。都営でさえ5階建てなのに11階建てなんて、もし上部で急病又は火災等の場合を考えると恐ろしいです。

※戻り入居できないような高額家賃を設定・公表しておきながら「公団としては全員戻って欲しい」という小松所長(注・当時)の言葉は矛盾している。公団の建て替え事業は合法的な追い出し事業であり、絶対に許せない。

【一区画は建て替えせずに残せ】

※建て替えを反対する。住居人に対して一区画建て替えせずに残しておき、反対者に残してもらいたい。

【納得できる家賃なら】

※建て替えについては賛成で反対ではありません。でも、現時点では同意できません。お互いに頑張って少しでもよい条件で建て替えに望みたいと思います。

※私たちも自治会と共に頑張って行き度く思っています。集会等にはなるべく出席して皆様と一緒に取り組んで行くつもりです。

【戻り入居希望だが高層は反対、家賃高すぎる】

※高層は反対。戻り入居希望しているが、現在より狭くては困る。3DKの場合の家賃では高すぎる。交渉の余地ありと思う。家賃の関係で娘と同居予定。

※公団のこれまでの説明や条件では、承服出来る内容ではありません。特に、家賃については戻れるものではありません。現居住者には優遇措置があるからという説明ですが、私たちのような年金者では2・3年の減額で後は支払いできません。どうか今回提示された家賃については全面的に白紙撤回させ、再検討の上、再交渉に臨むよう要請して下さい。

※@高齢者対策と言うことで低家賃の住宅を斡旋するといっても狭い1DKや2DKでは現在と同等ではなく、たとえ古くとも今のままで十分暮らして行けるのであるから家賃もこのまま3DK庭付きの住宅に住み続けたい。

 A戻り入居の優遇措置があっても、高齢者が10年先に高収入になるはずがない。当初から入居している人は皆(またはまもなく)年金生活。今更、現在の土地評価額上の新住宅に高家賃で入居することは、一般的常識で考えられない。しかし、それと同じことを強いられている。

 B立ち退きを強制されているのと同じだと思う。であれば、現在の住宅を追われるのであるから立ち退き料をしっかり請求しても良いのではないか。



  



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