「公団 金町団地」 建替闘争の記録

1992年(平成4年)から始り、1999年(平成11年)に「協定書」により一応の決着をした「公団 金町団地」(現在:都市整備機構 金町第一団地)の建替闘争の一部を住民の立場からまとめたものです。


「建替と向かい合った日々」

小さな団地の大きな闘い


  金町団地 居住者の意見

     1.建替指定時 (1992年)の意見

     2.建替事業説明会後(1993年)の意見

     3.住居移転期限 前(1994年9月30日)の意見

     4.住居移転期限 後(1994年9月30日)の意見



3.居住移転期限(1994年9月30日)を前にした居住者の意見

  1994年1月(移転期限の8カ月前)に実施した住民アンケートでは、公団の一方的な建替・追い出しに対する居住者の悲痛な叫びが聞こえます。

この時期、移転に同意(一時使用賃貸借契約書か本移転)したか、の質問では、

まだ締結していない  94世帯 83.2%
すでに締結した  16世帯 14.2%

と、ほとんどの世帯が、建替に納得していませんでした。


さらに、公団のやりかたについては

「怒りを感ずる」「誠意がない」  100世帯 87.0%
 「仕方がない」  13世帯 11.3%

 と回答しています。



   そして、居住者の意見としては、「住み続けたい!」と望んでも、高い家賃のため出ていかなければならない苦しみを多くの人が訴えています。

【戻りたくとも戻れない。私には建て替えは必要ない】

※戻りたいが戻れない。契約は未締結。戻り入居したいが高家賃なので戻れない(62才・5人家族)

※契約は締結した。今回の建替はあまりにも家賃が高すぎる。皆で反対すれば(値下げが成就するものでしょうか。今までにおおきな“力”に勝ったことがないのです。私 は弱気です。それ故出て行こうと思って契約を提出しました(65才・1人家族)

※戻りたくても戻れない。契約は未締結。年齢的に高額家賃はとってもムリ。

 年金暮らし、それに伴い家財道具があり、捨てるに捨てきれず現在居住している面積が必要です。それを受け入れられなければこの侭で快適に暮らしているので建替は必要としない(65才・2人家族)

※戻りたいが戻れない。契約は未締結。どうして家賃が3倍なのか、根拠を示せ。低所得者、老人の退去となるこの建替政策を見直せ!(47才・2人家族)

※戻りたくても戻れない。残り少ない命のある限り、この侭で住みたい。

公団の一方的なゴリ押しでは話は進まない。是非話し合いで納得して出るか戻るかしたいと思います(76才・2人家族)

【住民無視。このまま追い出されてはたまらない】

※戻りたくても戻れない。先工区・後工区や工事着工日時など勝手にきめて押し付ける公団の態度は計画の説明以来一貫した住民無視の態度だ。こんなやり方で追い出されてはたまらない。人間として扱って欲しい(49才・4人家族)

※戻りたくても戻れない。今後のことを考えると、収入が減っていくため、家賃が高いと公団に住んでいたいと思っても住めない状況になり不安。もっと老年者が住み良いように家賃を考えて欲しい(60才・3人家族)

※わからない。友人、知人、身内の人々から“ニュースで見るが、ごねてないで早く公団の言う通りにしたら”といわれることが多くなりました。悲しくなります。葛飾区の対応が気になります(56才・2人家族)

【戻るつもりではいるけれど】

※戻り入居する。年寄りと2人暮らし、なんとか住みなれた所でと思います。年金生活も目の前です。少しでも安い家賃でと思います。都営に比べて本当に高すぎると思います(56才・2人家族)

※戻り入居する。契約は未締結。高層はさけたい。火災が発生した時、階段上の場合逃げられず危険。家賃の問題が第一であるから戦うべきと考える(67才・2人家族)

※戻り入居する。契約は提出した。年金生活者の戻り家賃をもっと引き下げてもらいたい。運動(を)よろしくお願いします(70才・1人家族)

※戻り入居する。契約は未締結。建て替え自体は仕方がないかと思いますが、建て替え後の家賃がどうしても納得ゆきません(45才・4人家族)

【ここが私の故郷】


※戻り入居する。契約は未締結。昭和33年から入居ここが故郷、他へ移り住む気は全くない。庭もなくなる故、ベランダを広く取って欲しい。住める家賃にして欲しい(75才・1人家族)

※戻り入居したい。公団にお願いしたいこと。土地の有効利用ばかり考えずに、質のよい住宅を造って行く時です。テラスハウスは1戸建を持てない私達には理想的な形式です。どうしても建替えたいならテラスハウスを造って下さい(56才・4人家族)

※戻り入居する。契約は締結した。然し「最初に高家賃ありき」を納得出来ませんが先工区に指定され心が揺らぎ、考えた末不本意ながら印を押しました(65才・2人家族)


  

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